事務局長の恩返し~地域をつなぐ要に~

神興東郷づくりで事務局長を務める井上さんに、郷づくり活動を始めたきっかけや活動に対する思いを聞きました。

 

○郷づくりに携わるようになったきっかけ

40数年前から福間町に住み、自分は家族を置いて、転勤を繰り返していました。その間に父が認知症になり、自分は北海道にいたため、世話ができませんでした。その際、隣・近所の方々に大変お世話になり、いつか恩返しがしたいと思っていましたが、なかなか機会がありませんでした。その後、区長の役職が回ってきた際に、手を挙げ、自分で良ければと受けることになりました。元会長のご主人とゴルフ場で仲良くなり、郷づくりの手伝いを頼まれました。未経験の分野でしたが、活動内容が理解できるようになり、参加させてもらいました。

令和元年頃、神興東郷づくりは防災防犯部会が防災部会と防犯部会に分かれることになり、防災部会長にと声をかけられたことがきっかけです。

 

○防災部会の活動について

今年で3年目になりますが、地域の皆さんに防災の知識を高めてもらうため、防災士、防災推進委員の4名で、13自治会の訪問をしています。福津市は災害がないため、「災害がない地域なのにそんなことしなくていい」と当初は理解されずに苦労しましたが、地道に自治会訪問を行っています。今年もすでに9自治会を回り終えています。

○防災部会長から事務局長になった経緯

役員選考委員会があります。どの役員を決めるにも選考委員の皆さんは毎回大変苦慮されています。腰軽く動けるということが、私が選考された大きな理由かもしれません。

 

○事務局長の仕事について

なんでも屋さんです。市から交付金をいただいて郷づくりは活動しているので、お金のことは特に気にしています。部会長の時に扱っていた予算とは桁が違いすぎますから。

基本的にわが郷づくりは部会がしっかりしているのでほとんど任せていますが、時々、事務局長として嫌なことも言っています。

 

○事務局長の立場になり感じたこと

人とのつながりをすごく感じます。事務局にいると毎日、数名の方がお見えになります。

「お茶でも飲んで行こうか?」という風に気軽に立ち寄れる居場所づくり、人との付き合いが地域の人とできたらいいなという思いが強くあります。

小学校の避難訓練に立ち合い、講評する機会も増えました。最初は子供たちに話を聞いてもらうのに苦労しましたが、クイズ形式にするなど工夫をして子供たちの関心を引くことができ好評でした。子供たちからも顔を覚えてもらい、「井上さん!」と呼ばれ手を振ってもらえることもあり嬉しく感じています。

○変わらないこと

年に4回「じんとうニュース」という機関誌を発行し、毎月運営委員会には「事務局だより」を発行しています。いろいろな情報を発信しており、レイアウト等を工夫しながら皆さんに見てもらいたいと思っています。しかし、回覧版で回してもちゃんと読まずに次の方に回されている方が多いことを聞き、どうしたら手に取って読んでいただけるのか、いつも悩んでいます。

機関紙は、編集長、編集委員の考えで作成されています。毎回、編集委員が努力して、発行しているので、沢山の人に読んでもらいたいというのが変わらない願いです。

 

○今後の郷づくりについて

郷づくりがみんなの寄り合いの場所になって欲しいと思っています。

「交流センター」「ふれあいじんとう」がどこにあるのか、との問い合わせがあります。まだまだ浸透していないことを実感しています。郷づくりがどこにあって、何をしているのか、郷づくりの存在をもっとPRしないといけないと思っています。

 

【研修職員の感想】

  • 今回の取材で、井上さんの人柄の良さが郷づくりに関わるきっかけとなり、現在の事務局長の仕事へ繋がっているのだと思いました。郷づくりの存在をもっとPRするためには若い人の郷づくりへの関わりが必要だと感じました。
  • 井上事務局長の郷づくりの活動をみんな知ってほしいという熱い気持ちを感じました。この記事が少しでも役立てば幸いです。
  • 今回の取材で、郷づくりをみんなの寄り合い場にしたいという井上事務局長の想いをお聞きすることができました。多くの方に郷づくりの活動を知ってもらう機会を増やすことが大切だと思いました。