未来をつくる~地域を耕し、種をまく人~

郷づくり神興東の環境・景観部会で部会長を務める野田さんに、郷づくり活動を始めたきっかけや活動に対する思いを聞きました。

 

○郷づくりに携わるようになったきっかけ

自治会長から打診があったことがきっかけでした。当時は会社に勤めていましたが「とりあえず行ってみよう」という気持ちで参加しました。

参加した当初は部会を立ち上げる準備段階で、私は少し農作業をしていたこともあり、環境・景観部会の立ち上げに関わりました。立ち上げ時は人を集めるのが大変でしたが、掘った芋からポテトチップスを作って振舞うなど工夫していました。

 

○環境・景観部会について

現在、16人が所属しています。活動は基本的に土日にしていて「環境美化活動」と「農業体験活動」の2つの事業を行っています。

 

○環境美化活動について

年に4回、国道3号線沿いの歩道のごみ拾いと、東福間駅前やバス停など、人が集まる場所に花を植えて、美しい環境を作る活動をしています。

特に花を植える活動では、部会を超えてさまざまな関わりが生まれています。例えば、若木台交差点で行っている花を植える活動では、国道3号線を管理する国土交通省の職員の目に留まり、つながりができ、今年度は花の苗を400株提供してもらうことになりました。

また、みずがめの郷にある花壇では、神興東小学校の3年生と、みずがめの郷の管理事務所の方とが一緒になって花を植えています。

○農業活動体験について

主にソバやサツマイモ、ジャガイモを栽培し、地域の子どもたちに収穫を体験してもらうことで、自然とのふれあいや、食べ物や環境の大切さ、仲間づくり、昔の技術の伝承につながるような場をつくっています。

ソバは部会の発足当初から栽培していて、実際にソバ打ちをして、地域のイベントなどでふるまっています。部会のメンバーの中には、ソバの実を手で回しながら脱穀する昔ながらの農機具を持っている人がいるため、子どもたちに体験してもらうことも取り組みの一つです。また、近所の保育園や幼稚園に声を掛け、子どもたちにイモの収穫体験の場を提供しています。

収穫したものは子どもたちや地域の事業所に配布したり、販売したりすることもありますが、部会としての売り上げは事業費を除いて全て協議会へ返還しているので、基本的に手弁当で行っています。

 

○郷づくり活動に関わって良かったこと

他の地区の人たちと知り合いになったことが活動に参加して良かった点の一つです。自治会長を務めていたこともあり、他の自治会との横のつながりができたことや、郷づくり活動に参加していなければ得られなかった仲間も増えました。

 

○活動の課題

例えば、ごみ拾いの活動では範囲が広いため、部会だけではなく、もっと参加者が増えたらいいなと思っています。開催する際には、自治会の回覧やホームページで告知していますが、なかなか人が集まらないのが現状です。

市の支援体制についても思うところはありますが、他の郷づくりの環境部会との交流の機会があればいいなと考えています。他の地域での取り組みを知ることで、イベントの際の周知方法や担い手不足の課題など、私たちが抱えていることに対する解決のヒントを得ることにつながるのではないかと思います。また、何か困ったことがあったときに気軽に相談し合えるような関係性を築くことができればと考えています。

 

研修職員の感想

  • 地域の方や事業所が一体となって、子どもの体験学習や地域の環境づくりに寄与しており、素晴らしい取り組みだと感じました。
  • 地道な活動が、地域の方々だけでなく、国の事業の一部にも波及したことが印象に残りました。
  • 地域の子どもたちのために収穫体験を行い、販売、それを手弁当で行っていることを知り、地域への思いに感銘を受けました。
  • 日常生活ではカレーやポテトチップスがどのようにできるか意識しないので、参加者にとって貴重な機会だと思いながらお話をうかがいました。